A HOUSE WITHIN THE LANDSCAPE
建物と素材のこと。
もともとあるものを生かし、
海と森の風景に、そっと溶け込む。
AOAOが目指したのは、自然の中で自然に溶け込む建築です。できるだけ天然素材や自然由来の素材を選びながら、使いやすさや滞在の心地よさも大切に。一つひとつの選択に、この場所で過ごす時間への思いがあります。

01 / KEEP WHAT WAS HERE
新しく見える、この建物の続き。
「新築ですか?」と聞かれることがあります。実はAOAOは、ここにもともとあった建物の外壁と基礎を生かし、建物自体は増築せずにリノベーションした宿です。それ以外は全面的につくり直し、今の空間へと整えました。
草が生い茂り、歩く足場も見つけにくかった敷地。そこに残っていた建物を起点に、約2,000坪の自然の中で、もう一度人が過ごせる場所をつくる。必要以上に自然を壊さず、もともとあるものを生かすことも、AOAOのコンセプトの一つです。

02 / MATERIALS CLOSE TO NATURE
国産ヒノキと、能登の珪藻土。
リビングの壁は、国産ヒノキと、能登の珪藻土を使った塗り壁。この二つの素材で統一しました。木の表情と、塗り壁の穏やかな質感。景色を眺める時間にも、室内に目を戻したときにも、自然の気配を感じられるように。
浴室にも天然石とヒノキを取り入れ、ヒノキ風呂を思わせる雰囲気に。目で見るだけでなく、香りや手触りまで含めて、素材を楽しんでいただきたいと考えています。

03 / CEDAR UNDER YOUR FEET
杉のデッキを、素足で感じる。
海沿いでの手入れを考えれば、人工木という選択肢もありました。それでも選んだのは、天然の杉。柔らかな肌触りと、木そのものの質感を大切にしたかったからです。
以前の小さなデッキを、この場所だからこそできる広々としたウッドデッキへ。海を眺めながら立つ。ゆっくり歩く。気が向いたら寝そべる。できれば素足で、杉の感触を味わってみてください。
何かをするためだけの場所ではなく、ただぼーっとしていてもいい場所。室内から続く、もう一つのくつろぎの空間です。

04 / HINOKI AND FIRE
あえて、薪の火を。
バレルサウナにも、こだわって選んだ国産ヒノキをふんだんに。扉を開けた瞬間の木の香りに、驚かれるお客様もいらっしゃいます。
当初は、管理のしやすい電気式の熱源も考えていました。それでも薪式にしたのは、薪に火を入れ、くべながら待つ時間から体験してほしかったから。すぐに結果が出る便利さから少し離れて、火の様子や木の香りに意識を向ける。そんなアナログな時間も、ここでの楽しみです。
サウナの使い方・利用上のご案内05 / A FIRE, MADE ON THIS ISLAND
この場所でやるなら、このストーブ。
リビングの大きなパノラマ薪ストーブは、改装を考え始めた頃から「ここに置きたい」と決めていたものです。きっかけは、能登島でストーブを手がける作り手の動画。性能や姿だけでなく、その人がつくるものを、この島で使いたいという思いがありました。
大きなガラス越しに眺める炎は、まるで部屋の中で焚き火をしているよう。薪をくべるひと手間、火の揺らぎを眺める間、身体に届く暖かさ。普段の暮らしではなかなか触れられない、薪ストーブのある時間を感じていただけたらと思っています。
THE FLOOR / モールテックス
火のある空間を受け止める床。
室内の床全面には、モールテックスを採用しました。木や塗り壁とともに、空間の表情をつくる素材です。日常とは少し違う場所に来たと感じられるよう、足元の質感まで含めて計画しました。
06 / OPEN TO THE VIEW
景色とはつながり、
室内の心地よさは守る。
リビングには、前面を大きく開放できる窓も検討しました。けれど、気密性や虫の入りにくさも、自然の中で心地よく泊まるためには大切なこと。景色とのつながりや風を感じられることを残しながら、開口部のつくりを考えています。
開けられる窓やドアには網戸を設け、ロフトの小さな窓にも備えています。海と森を近くに感じながら、室内では落ち着いて過ごす。その両方を大切にした、目立たない工夫です。
見た目のためだけではなく、
ここで過ごす時間のために。
AOAOのこだわりは、そんな選択の積み重ねです。